こんにちは!週末呑兵衛まこつです。中国シリーズ、今回は鳥取県にスポットを当ててみます。鳥取は人口が55万人と日本一少ない県であり、石破総理の出身地としても知られています。この小さな県には、豊かな自然と独自の文化が息づいています。
鳥取県は、四季折々の美しい風景や新鮮な海の幸で知られていますが、日本酒文化も非常に魅力的です。特に、鳥取の日本酒はその土地ならではの風土と気候が生み出す特性を活かしており、地元の食材との相性も抜群です。
さて、そんな鳥取県の日本酒文化に革命をもたらした「強力」という幻の酒米をご存知でしょうか?
- 大正時代に誕生し、一度は途絶えた幻の酒米
- 昭和61年、奇跡的に復活を遂げた稀少な酒造好適米
- 現在、9つの蔵元が「強力」を使用した酒造りに挑戦中
「強力」の復活は、鳥取県の日本酒業界に新たな風を吹き込みました。この記事では、「強力」を中心に、鳥取県の日本酒の魅力を徹底解説します。
豊かな自然環境、契約農家との絆、独自の酵母開発など、鳥取県の日本酒には多くの魅力が詰まっています。これらの要素が織りなす、個性豊かで味わい深い日本酒の世界をお楽しみください。
この記事を読めば、鳥取県の日本酒の奥深さと魅力を知ることができます。あなたも鳥取県の日本酒ファンになること間違いなしです。鳥取県の日本酒は、伝統と革新が融合した、日本が誇るべき文化遺産の一つだと言えるでしょう。
幻の酒米「強力」の復活
鳥取県の誇る「強力」は、大正時代に選抜された幻の酒米です。昭和30年に栽培が途絶えましたが、昭和61年、鳥取大学農学部で保存されていた僅かな種子から奇跡的に復活しました。
粒が大きく線状心白を持つ「強力」は、山田錦や雄町と並ぶ稀少な酒造好適米です。蔵元たちの熱意と関係者の尽力により、現在では9つの蔵元が「強力」を使った酒造りを行っています。
「強力をはぐくむ会」は、酒蔵、農家、大学、酒販店が協力して設立した組織で、栽培から酒造りまで一貫して取り組んでいます。この活動により、「強力」は鳥取県の誇る地酒ブランドとして確立され、各蔵元が切磋琢磨しながら個性豊かな日本酒を生み出しています。
鳥取県の日本酒造りは、独自の酒米「強力」を中心に、豊かな自然環境と伝統技術が融合した魅力的な世界を展開しています。
自然環境を活かした酒造り
鳥取県の酒造りは、豊かな自然環境の恵みを存分に活用しています。例えば、久米桜酒造では、大山の黒ぼく土壌で自社栽培した「強力」米を使用しています。この土壌は、ミネラルが豊富で、米の旨味と酸味を引き出すのに適しています。
また、中国山地からの清らかな伏流水や、雪解け水の軟水を使用する蔵元もあります。これらの水は、日本酒に柔らかな口当たりと繊細な味わいをもたらします。
契約農家との絆が育む上質な酒米
鳥取県には16の蔵元があり、それぞれが地元農家との直接契約により、高品質な酒造好適米を確保しています。例えば、福羅酒造では、隣町の三朝町の若き篤農家と契約栽培で山田錦を、町内の契約農家とは玉栄を栽培しています。この取り組みにより、蔵元の求める品質の酒米を安定的に入手できます。
さらに、有機栽培米の使用も広がっています。千代むすび酒造は、茨城県の農家と直接契約を結び、有機栽培の山田錦を使用したオーガニック純米吟醸を製造しています。この有機栽培米の使用は、環境に配慮した持続可能な酒造りへの取り組みとして注目されています。
これらの取り組みは、鳥取県の16の蔵元それぞれが、地域の特性を活かしながら、高品質で個性豊かな日本酒を生み出すことに貢献しています。契約栽培や有機栽培といった先進的な取り組みは、鳥取県の日本酒業界全体の発展にも寄与しているのです。
豊かな水源が生み出す味わい深い日本酒
鳥取県の日本酒の特徴の一つは、中国山地からの清らかな伏流水の活用です。この水は、軟水であることが多く、きめ細やかで口当たりの良い日本酒を生み出します。
特筆すべきは、「平成の名水百選」に選ばれた水源の使用です。例えば、久米桜酒造は大山のふもとにある「地蔵滝の泉」の水を使用しています。この名水は、日本酒に深みと清涼感を与えています。
また、雪解け水の軟水特性を活かした製造も行われています。この軟水は、米の旨味をやさしく引き出し、繊細な味わいの日本酒を生み出します。
鳥取県独自の酵母が生み出す個性豊かな味わい
鳥取県では、地域の特性を活かした独自の酵母開発も行われています。例えば、「鳥取酵母」は、地元の自然環境から分離された酵母で、フルーティーな香りと爽やかな酸味が特徴です。
ある蔵元では、この鳥取酵母を使用した純米吟醸酒を製造しています。その味わいは、鳥取の豊かな自然を感じさせる、爽やかでバランスの取れたものとなっています。
鳥取県の日本酒は、契約農家との絆、豊かな水源、そして独自の酵母開発によって、多様で魅力的な味わいを生み出しています。一杯の中に、鳥取の自然と人々の情熱が詰まっているのです。
力強い旨みがたまらない! おすすめ6選
鷹勇(大谷酒造)
軽やかに舞う、酒米の美しき調和
出典:amazon
- 酒造紹介:大谷酒造は明治5年創業の老舗蔵元で、鳥取県琴浦町に位置しています。原料の米造りから酒造りまで、造り手の顔が見える辛口の日本酒にこだわり、地元の酒米を使用した日本酒を提供しています。
- 代表作:鷹勇 純米吟醸(精米歩合50%、アルコール度数15%)
- 味わい:軽やかな酸味とフルーティーな香りが特徴で、飲みやすくバランスが取れています。
- 呑み方:冷やして楽しむのが最適ですが、常温でも美味しくいただけます。
- ふるさとの味と一献:鳥取名物の境港のイカ刺し。鷹勇の軽やかさがイカの甘みを引き立て、絶妙なマリアージュを生み出します。
瑞泉(高田酒造場)
深い海のようなコク、旨み溢れる一杯
出典:amazon
- 酒造紹介:高田酒造場は1907年創業で、鳥取県境港市に位置する歴史ある蔵元です。良質な水と地元産の酒米を使用し、少量生産で丁寧に造られた日本酒を提供しています。
- 代表作:瑞泉 純米酒(原料米:五百万石・玉栄、アルコール度数15%以上16%未満)
- 味わい:濃醇辛口でコクと旨みが感じられ、飲みごたえがあります。
- 呑み方:冷やしても良し、温めても良し。燗酒としても楽しめます。
- ふるさとの味と一献:鳥取名物の焼きカニ。瑞泉の深い旨みがカニの甘さを引き立て、贅沢な一杯となります。
いなば鶴(中川酒造)
力強くも優雅な調和、心に響く一滴
出典:amazon
- 酒造紹介:中川酒造は1872年創業で、鳥取県米子市に位置しています。地元産の「強力」を使用した日本酒を中心に、高品質な製品を提供しています。
- 代表作:純米大吟醸 いなば鶴 強力
- 味わい:芳醇でありながら飲みやすく、新米を蒸したときのような香りが広がります。
- 呑み方:冷やして飲むことで、その香りと味わいを最大限に引き出せます。
- ふるさとの味と一献:鳥取名物のおでん。いなば鶴の芳醇さが、おでんの旨味を引き立てる完璧な組み合わせです。
稲田姫(稲田本店)
ふくよかな果実感、心温まるひととき
出典:amazon
- 酒造紹介:稲田本店は創業以来、地元産の「強力」を使用した日本酒にこだわり続けている蔵元です。丁寧な仕込みによって生まれるお酒は、地域の風土を反映しています。
- 代表作:純米吟醸 いなたひめ強力(精米歩合60%、アルコール度数15%)
- 味わい:ふくよかでずっしりとした飲みごたえがあり、果物のような香りが漂います。
- 呑み方:冷やして飲むことで、その豊かな香りと旨味を楽しめます。
- ふるさとの味と一献:鳥取名物の焼き鳥。稲田姫の果実感が焼き鳥のタレと絶妙に絡まり、一層美味しさが増します。
諏訪泉(諏訪酒造)
天を仰ぎ見て育まれた清らかな一杯
出典:amazon
- 酒造紹介:諏訪酒造は1859年創業で、鳥取県智頭町に位置する伝統的な蔵元です。「天のない酒造り」を理念に掲げ、高品質な純米酒を製造しています。
- 代表作:諏訪泉 純米発泡にごり(原料米:山田錦・玉栄)
- 味わい:爽やかでスッキリした飲み口でありながら、豊かな香りが楽しめます。
- 呑み方:冷やして飲むことで、その爽快感を最大限に引き出せます。
- ふるさとの味と一献:智頭町名物の山菜天ぷら。諏訪泉の爽やかさが山菜の苦味を和らげ、一緒に楽しむことでより深い味わいになります。
千代むすび純米吟醸オーガニックNATURE(千代むすび酒造)
大地の恵み、杯に宿る自然の調べ
出典:千代むすびオンラインストア
- 酒造紹介:1865年創業の千代むすび酒造は、鳥取県境港市に位置する老舗蔵元です。「みんなの幸せ 自然の恵みを美味しく楽しく 健康づくり」を経営理念とし、安心・安全な発酵商品の醸造に取り組んでいます。有機酒類の認定工場として、環境に配慮した持続可能な酒造りを実践しています。
- 代表作:純米吟醸オーガニックNATURE(JAS認証、茨城県産有機栽培山田錦使用)
- 味わい:お米の旨味と軽快な酸が心地よく調和し、食中酒として楽しめる爽やかな味わい
- 呑み方:冷酒または常温で楽しむのがおすすめ。食事と共に楽しむのに適しています。
- ふるさとの味と一献:境港名物の蟹料理。千代むすび純米吟醸オーガニックNATUREの軽快な酸味が蟹の甘みを引き立て、自然の恵みを存分に感じられる組み合わせとなります。
結び
いかがでしたでしょうか?鳥取県の日本酒造りの世界、特に幻の酒米「強力」の復活と、それを取り巻く9つの蔵元の挑戦について紹介しました。
鳥取の日本酒は、「強力」という独自の酒米を中心に、豊かな自然環境と伝統技術が融合した魅力的な世界を展開しています。契約農家との絆、中国山地からの清らかな水が、多様で個性豊かな味わいを生み出しているのです。
ぜひ、この記事を読んで興味を持たれた方は、実際に鳥取県の日本酒を探してみてください。「強力」を使用した日本酒や、地元の水で仕込まれた銘柄など、きっと新しい発見があるはずです。
また、この記事の感想や、実際に飲んでみた鳥取県の日本酒の感想をSNSでシェアしていただけると嬉しいです。みなさんの体験が、さらに多くの人に鳥取の日本酒の魅力を伝える力になります。
日本酒の世界は奥深く、まだまだ探求の余地がたくさんあります。鳥取県の日本酒についてもっと知りたい方は、ぜひ当ブログの他の記事もチェックしてみてください。
さあ、今夜の晩酌は鳥取県の日本酒で乾杯!鳥取の自然と蔵元の情熱が詰まった一杯を、ゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。乾杯!
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