こんにちは!週末呑兵衛まこつです。1月中旬、寒さが厳しくなってきましたね。今回は近畿シリーズ第二弾、奈良県にフォーカスしていきます。私にとって奈良県は、30年以上前に修学旅行で訪れましたがほぼ記憶なしです(苦笑)。
奈良県と言えば、大仏、鹿、そして奈良漬けが有名ですね。
日本酒だと『風の森』。みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
600年以上の歴史を持つ奈良の日本酒。
- 伝統的な製法と革新的な技術の融合
- 独自の酵母が生み出す個性豊かな味わい
- 幻の酒米「露葉風」の復活
奈良の日本酒は、古都の風情と最新の酒造りが織りなす芸術品です。27の蔵元が、それぞれの個性を活かした酒造りに励んでいます。
この記事では、奈良の日本酒が持つ5つの魅力を詳しく紹介します。読めば、あなたも奈良の日本酒通に。週末の晩酌が、より楽しくなること間違いなしです。
さあ、奈良が誇る日本酒の世界へ、一緒に旅立ちましょう!
伝統と革新が織りなす奈良の日本酒

古都の風情漂う奈良の地で、日本酒造りの伝統が脈々と受け継がれています。長い歴史を持つ奈良の酒蔵では、伝統的な製法を大切にしながらも、革新的な技術を取り入れ、多様な味わいの日本酒を生み出しています。
生酛・山廃造りが特徴的で、乳酸発酵による深い旨味と酸味が楽しめます。また、奈良発祥の「菩提酛仕込み(ぼだいもとじこみ)」を使用する蔵もあり、古来の技法を今に伝える貴重な存在となっています。
辛口タイプからフルーティーで軽やかなものまで、多彩な味わいが揃っているのも奈良の日本酒の魅力です。地元の米や水、人にこだわった酒造りを行う蔵も多く、食事が進む酒造りを追求する蔵元の情熱が感じられます。
個性豊かな酵母が生み出す奈良の味

奈良の日本酒には、独自の酵母が使われています。奈良女子大学との共同研究により誕生した「奈良八重桜酵母」は、低アルコール酒用として注目を集めています。
また、大神神社の協力のもと、境内で採取された試料から「山乃かみ酵母」が分離されました。
この酵母は、奈良らしさを体現した個性的な味わいを生み出します。
これらの酵母は、奈良の自然環境と歴史が育んだ宝物です。酵母の個性が、奈良の日本酒に独特の風味と香りを与えています。
幻の酒米「露葉風」が紡ぐ物語

露葉風(つゆばかぜ)は、奈良県唯一の酒造好適米奨励品種です。昭和38年に愛知県で誕生し、白露と早生双葉を交配して開発されました。一度は栽培が途絶え「幻の酒米」となりましたが、2001年に山添村で復活し、2002年頃から本格的な栽培が再開されました。
標高120~620mの高地で、きれいな水と寒暖差という理想的な環境で育てられています。特徴は、心白が山田錦よりも大きいことです。この特性により、独特な酸味と渋み、ふくよかな甘み旨味のバランスが取れた酒質を生み出します。
ただし、吸水速度が速く原料処理が難しい個性的な米でもあります。露葉風で醸された酒は、総じてキレのよい淡麗志向ですが、酒蔵によって特徴が際立ちます。奈良県の酒造文化を支える貴重な存在として、「純奈良産の酒」の代名詞となっています。
聖地の水が育む 奈良の酒造りの真髄

奈良県の日本酒は、その土地ならではの水源によって特徴づけられています。正暦寺では、寺領内の清らかな水を使用し、菩提もと清酒の製造に活かしています。油長酒造では、金剛葛城山系の深層地下水を使用しており、100m近い井戸から汲み上げられる超硬水が「風の森」の個性を生み出しています。
今西酒造では、三輪山の伏流水を使用しています。蔵内の井戸から湧き出るこの水は、「飲めば万病に効く」と言われる霊験あらたかな御神水で、やや軟水でやわらかい口当たりが特徴です。
このように、奈良県の日本酒は、各地域の特徴ある水源を活かし、それぞれ独自の味わいを生み出しています。山岳地帯や古くからの聖地に由来する水が、奈良の日本酒に深い味わいと個性を与えているのです。
奈良ならではの個性際立つ酒造り

奈良の酒蔵では、地域の特色を活かした個性的な酒造りが行われています。吉野杉の樽酒は、奈良の森林資源を活用した特徴的な日本酒です。
また、生酛・山廃タイプの日本酒が多いのも奈良の特徴です。これらの製法は、時間と手間がかかりますが、複雑な味わいと深い旨味を生み出します。
27の蔵元それぞれが、奈良の伝統と個性を活かした酒造りに取り組んでいます。
その結果、奈良の日本酒は多様性に富み、飲む人を飽きさせない魅力にあふれています。
絶対に飲んでもらいたい銘柄6本
風の森(油長酒造)
清冽なる風、森の息吹を酒に込めて

出典:amazon
- 酒造紹介:1841年創業の油長酒造は、奈良県御所市に位置する革新的な蔵元です。「生もと造り」にこだわり、酵母の力を最大限に引き出す独自の製法で知られています。環境に配慮した酒造りにも取り組んでいます。
- 代表作:風の森 秋津穂 純米大吟醸
- 味わい:フレッシュで爽やかな酸味、果実のような香り
- 呑み方:冷酒、常温
- ふるさとの味と一献:柿の葉寿司。風の森の爽やかな酸味が、柿の葉寿司の旨味を引き立て、さっぱりとした後味を演出します。
春鹿(今西清兵衛商店)
千年の都に咲く、春の鹿影

出典:amazon
- 酒造紹介:1884年創業の今西清兵衛商店は、奈良市に位置する老舗蔵元です。奈良時代から続く酒造りの伝統を受け継ぎ、地元の米と水にこだわった酒造りを行っています。
- 代表作:春鹿 超辛口
- 味わい:香りよく、キレのある幅広い味わい。まろやかな口当たりと凛とした超辛口が特徴。
- 呑み方:冷酒、常温、ぬる燗
- ふるさとの味と一献:茶がゆ。春鹿のやわらかな味わいが、茶がゆのほっこりとした風味を引き立てます。
梅乃宿(梅乃宿酒造)
梅の香り漂う、宿場町の誉れ

出典:amazon
- 酒造紹介:1893年創業の梅乃宿酒造は、奈良県葛城市に位置する蔵元です。地元の米と水を使用し、伝統的な製法と現代技術を融合させた酒造りを行っています。梅酒でも有名です。
- 代表作:梅乃宿 純米大吟醸
- 味わい:フルーティーな香り、なめらかな口当たり
- 呑み方:冷酒、常温
- ふるさとの味と一献:三輪そうめん。梅乃宿のフルーティーな香りが、そうめんのつるつるとした喉越しを引き立てます。
鷹長(長龍酒造)
悠久の時を越え、鷹の如く舞い降りる

出典:横浜君嶋屋オンラインショップ
- 酒造紹介:1923年創業の長龍酒造は、奈良県北葛城郡広陵町に位置する蔵元です。地元の米と水にこだわり、伝統的な製法を守りながらも革新的な酒造りに挑戦しています。
- 代表作:鷹長 菩提もと 純米酒
- 味わい:深みのある旨味、複雑な香り
- 呑み方:常温、ぬる燗、熱燗
- ふるさとの味と一献:奈良の鹿肉料理。鷹長の深い旨味が、鹿肉の濃厚な味わいを引き立て、バランスの取れた味わいを演出します。
百楽門(葛城酒造)
百の楽しみ、門を開けば広がる

出典:amazon
- 酒造紹介:1886年創業の葛城酒造は、奈良県御所市に位置する蔵元です。地元の米と水を使用し、伝統的な製法と現代技術を融合させた酒造りを行っています。
- 代表作:百楽門 ひやおろし 純米大吟醸 備前雄町
- 味わい:華やかな香り、きれいな酸味と旨味のバランス
- 呑み方:冷酒、常温
- ふるさとの味と一献:吉野葛。百楽門のきれいな酸味が、吉野葛のなめらかな口当たりを引き立て、上品な味わいを演出します。
篠峯(千代酒造)
峯に立つ篠の如く、凛として

出典:amazon
- 酒造紹介:1703年創業の千代酒造は、奈良県御所市に位置する老舗蔵元です。地元の米と水にこだわり、伝統的な製法を守りながらも革新的な酒造りに挑戦しています。
- 代表作:篠峯 純米吟醸
- 味わい:繊細な香り、キレのある味わい
- 呑み方:冷酒、常温
- ふるさとの味と一献:押し寿司。篠峯のキレのある味わいが、押し寿司の複雑な風味を引き立て、さっぱりとした後味を演出します。
番外編
調べていたところ下記のような商品もありました。個人的にとても興味があったのでのせておきますね。いずれも果肉が入っていいるようでソーダー割り呑んでみたいところです。
時々、違ったものを呑むこともバリエーションが広がり、また新ためて日本酒の良さを見つめ直すことができると思います。
梅乃宿 あらごし梅酒(梅乃宿酒造)
梅の実、とろりと舌に溶ける甘美な夢

出典:amazon
- 酒造紹介:1893年創業の梅乃宿酒造は、奈良県葛城市に位置する蔵元です。日本酒造りの技術を活かし、若い世代にも日本酒の魅力を伝えるべく、革新的なリキュール造りに挑戦しています。「あらごし」シリーズはその代表作です。
- 代表作:梅乃宿 あらごし梅酒
- 味わい:濃厚な梅の果実味、とろりとした口当たり、豊潤な香り
- 呑み方:冷やして、ロック、カクテルベース
- ふるさとの味と一献:奈良の柿の葉寿司。あらごし梅酒の濃厚な果実味が、柿の葉寿司のさっぱりとした味わいと絶妙なバランスを生み、新しい味の発見を演出します。
梅乃宿 あらごしゆず酒 あらごしもも セット(梅乃宿酒造)
果実の宴、甘美なる酒の調べ

出典:amazon
- 酒造紹介:1893年創業の梅乃宿酒造は、奈良県葛城市に位置する蔵元です。伝統的な日本酒造りの技術を活かしながら、果実を贅沢に使用したリキュールの製造でも知られています。地元の素材にこだわり、革新的な商品開発に挑戦し続けています。
- 代表作:梅乃宿 あらごしもも 720ml、梅乃宿 あらごしゆず 720ml
- 味わい:
あらごしもも – みずみずしい白桃の果実感、トロっとした口当たりとスッキリとした余韻
あらごしゆず – 爽やかなゆずの香り、まろやかな酸味と甘みのバランス - 呑み方:ロック、ソーダ割り、ミルク割り、ストレート
- ふるさとの味と一献:ふるさとの味と一献:奈良のっぺ。あらごしももの甘美な果実味が、のっぺの優しい野菜の旨味を引き立て、あらごしゆずの爽やかな酸味が料理の味わいを引き締めます。素朴な郷土料理に、果実リキュールが新たな彩りを添えます。
結び
いかがでしたでしょうか?奈良の日本酒の魅力を存分に味わっていただけたでしょうか。
奈良の日本酒は、600年以上の歴史と伝統を受け継ぎながら、革新的な技術も取り入れた逸品です。独自の酵母や幻の酒米「露葉風」、聖地の水、そして27の個性豊かな蔵元が織りなす味わいは、まさに日本酒の芸術品と言えるでしょう。
この記事で紹介した6つの銘柄は、奈良の日本酒の多様性を体現しています。ぜひ、お近くの酒屋さんや通販サイトで探してみてください。風の森、春鹿、梅乃宿、鷹長、百楽門、篠峯 – それぞれが奈良の誇る逸品です。
また、果実リキュールにも注目です。梅乃宿のあらごしシリーズは、日本酒とは一味違った楽しみ方ができます。
奈良の日本酒を味わったら、ぜひSNSで感想をシェアしてください。あなたのお気に入りの銘柄や、合わせて楽しんだ奈良の郷土料理についても教えてください。
次回は「奈良の隠れた銘酒」について詳しくご紹介する予定です。お楽しみに!
さあ、今夜の晩酌は奈良の日本酒で決まりですね。古都の風情を感じながら、大切な人と一緒に味わってみてはいかがでしょうか。
それでは、奈良の日本酒で心豊かなひとときを。乾杯!
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