こんにちは!週末呑兵衛まこつです!
夏の終わりを感じる今日この頃。 厳しい暑さがようやく落ち着き、朝夕は少し涼やかな風が吹き始めましたね。ツクツクボウシの鳴き声も、夏の終わりを感じさせます。
さて、皆様は今年の夏をどのように過ごされましたか?
今年の夏は例年以上に暑かったように感じますが、そんな暑い夏を乗り越え、秋の訪れを感じる今の時期に、ぜひ味わっていただきたいのが、鹿児島の日本酒です。
今回は、鹿児島を代表する二つの蔵元、「西酒造」と「濵田酒造」の日本酒を、それぞれの魅力とともにご紹介します。
鹿児島の日本酒、今、再び
鹿児島で日本酒が再び造られるようになった背景には、地域の特性と伝統の復活があります。鹿児島は焼酎文化が強い地域ですが、近年では日本酒造りが再注目されています。
気候の多様性: 鹿児島は、地域によって気候が大きく異なります。温暖な地域では芋焼酎、寒冷な地域では日本酒造りに適した気候と言える場所もあります。特に、高地や山間部では、昼夜の寒暖差が大きく、日本酒造りに適した環境が整っている地域も存在します。
水質の豊富さ: 豊富な地下水や伏流水が湧き出ています。これらの水は、日本酒造りに必要な軟水であることが多く、酒造りに適した水質と言えるでしょう。
米の栽培: 古くから米が栽培されており、日本酒造りに必要な米の供給が安定しています。
食文化との融合: 鹿児島は、食文化が非常に豊かです。地元で採れた新鮮な魚介類や野菜と、日本酒を合わせることで、より一層食事が美味しくなることから、日本酒造りが発展したと考えられます。
伝統の継承: 古くから続く酒造りの伝統があり、その技術が脈々と受け継がれています。
西酒造株式会社 ー薩摩の地に根ざし、未来へ繋ぐ味ー
西酒造は、1845年(弘化2年)に創業された鹿児島県日置市にある老舗の酒造メーカーです。創業者の西助左衛門が、日本三大砂丘の一つである吹上浜の近くで焼酎造りを始めたことから、その歴史が始まります。
・歴史と特徴
西酒造は、薩摩の大地に根を下ろし、160年以上にわたり酒造りを続けてきました。「宝山(ほうざん)」シリーズで知られ、特に芋焼酎の製造で高い評価を得ています。このシリーズは、鎌倉時代初期の琵琶法師・宝山検校に由来し、地元の伝説にちなんで名付けられました。
・酒造りの哲学
西酒造は「酒造りは農業」という信念のもと、原料のサツマイモの自社栽培にも力を入れています。自社試験農場「屋根のない蔵」では、約34種類の芋を育て、新しい焼酎の味を追求しています。また、仕込み水には、地元の霊峰冠岳から汲み上げた天然水を使用し、自然の恵みを最大限に活かした酒造りを行っています。
・多様な製品
西酒造は、焼酎だけでなく、日本酒やウイスキーの製造も行っており、ニュージーランドではオーガニックワインの製造も手掛けています。このように、幅広い酒類を提供し、国内外で多くのファンを獲得しています。
天賦 純米吟醸
「天賦 純米吟醸」は、芋焼酎で有名な西酒造から誕生した日本酒です。西酒造は、1845年に創業し、鹿児島県日置市吹上町に蔵を構えています。焼酎の「宝山」シリーズで知られるこの蔵が、初めて手掛けた日本酒であり、その品質の高さからJAL国内線ファーストクラスに採用されるなど、高い評価を受けています。
精米歩合
「天賦 純米吟醸」の精米歩合は50%です。これは、使用する米の外側を50%削り、中心部のみを使用して醸造することを意味し、純米吟醸酒としての高品質を示しています.
味わい
この日本酒は、白桃やバナナのような華やかな香りと、ヨーグルトや栗のような複雑な香りが特徴です。味わいは、優しい甘味と果実感があり、控えめな酸味が柔らかく感じられます。フィニッシュは透明感があり、軽やかです.
郷土料理で至福のペアリング
「鶏飯(けいはん)」をおすすめします。鶏飯は、ほぐした鶏肉をはじめ、干ししいたけ、錦糸卵、パパイヤの味噌漬け、みかんの皮などをのせたご飯に、鶏ガラスープをかけていただく料理です。この料理は、さっぱりとした味わいで、純米吟醸のフルーティーな香りと相性が良いです。
天賦 純米大吟醸
「天賦 純米大吟醸」は、兵庫県東条地区少分谷で栽培された「山田錦」を使用して醸造された純米大吟醸酒です。この酒は、特別な米と伝統的な技術を組み合わせて作られ、非常に高い品質を誇ります。
精米歩合
この日本酒は、精米歩合35%という非常に高い精米度を持ち、米の中心部分のみを使用しています。これにより、雑味のないクリアで洗練された味わいが実現されています。
味わい
「天賦 純米大吟醸」は、洋梨のシャーベットやアカシアの花、セルフィーユのほのかな香りが特徴です。非常に滑らかな口当たりで、上質な米の甘さと旨味が酸味とバランスよく調和しています。全体的に浸透性があり、天然水のような透明感のある味わいが楽しめます。
郷土料理で至福のペアリング
「きびなごの刺身」をおすすめします。この料理は、鹿児島名産のきびなごを使った刺身で、天賦 純米大吟醸の穏やかで上品な香りと芳醇な甘やかさが、きびなごの新鮮な風味を引き立てます.
天賦 純米吟醸 播州愛山
「天賦 純米吟醸 播州愛山」は、鹿児島の老舗焼酎蔵元である西酒造が手掛ける日本酒です。この酒は、兵庫県産の希少な高級米「愛山」を100%使用して醸造されています。愛山米の特性を最大限に引き出し、優しい甘みと繊細な味わいを実現しています。西酒造の持つ伝統と革新が融合した一品です。
精米歩合
この純米吟醸酒の精米歩合は50%で、米の中心部分を使用することで、純米大吟醸に匹敵する高品質な味わいを提供しています。
味わい
「天賦 純米吟醸 播州愛山」は、熟したバナナや白桃、ストロベリー、白バラの香りが特徴です。米由来の白玉や白胡椒のようなスパイシーさも感じられ、香りに奥行きを与えます。ピュアで甘やかな果実味があり、優しい甘味と芳醇な果実味がキレのある酸味を包み込み、球体のような広がりを持つ中盤を形成しています。後半には旨味が芳醇さを押し上げ、スパイシーな余韻がアクセントとなります。全体として「天賦」らしい透明感と滑らかな飲み口が健在です。
郷土料理で至福のペアリング
「さつまあげ」を紹介します。さつまあげは、すり身を揚げた料理で、鰹や白身魚のすり身を使用し、外はカリッと、中はふんわりとした食感が特徴です。お酒のおつまみとしても人気があり、天ぷらやおでんの具材としても楽しむことができます。鹿児島の地酒とも相性が良く、地域の食文化を感じる一品です。
濵田酒造 ー時の流れに磨かれた、魂の雫ー
・歴史と特徴
濵田酒造は、明治元年に鹿児島県いちき串木野市で創業された老舗の酒造メーカーです。創業以来、本格焼酎の伝統的な味わいを大切にし続けています。特に「伝兵衛蔵」は、手づくりの焼酎蔵として、伝統の技と心を守りながら、手作業での焼酎づくりを行っています。仕込みに使う甕や蒸留器、麹室など、すべてにこだわりを持ち、天候や温度、湿度にも細心の注意を払って製造されています。
・酒造りの哲学
濵田酒造は、古式焼酎の復活や伝統製法にこだわり、黄麹や黒麹を使用した独自の焼酎づくりを行っています。また、いちき串木野市の霊峰冠岳から汲み上げた天然水を使用し、自然の恵みを最大限に活かした酒造りを行っています。
・多様な製品
濵田酒造は、焼酎だけでなく、清酒の製造も行っています。特に「薩州正宗」シリーズは、40年ぶりに薩摩に復活した清酒として注目されています。金山跡の仕込蔵を利用し、九州産の酒造好適米「五百万石」を使用して製造されています。温度管理が徹底された施設で、年間約6万リットルの清酒を製造しており、米のふくよかな香りときれいな味わいを楽しむことができます。濵田酒造は、伝統を守りつつも革新を続け、国内外で多くのファンを獲得しています。
薩州正宗 大吟醸酒
「薩州正宗 大吟醸酒」は、鹿児島県の薩摩金山蔵(濵田酒造)が手掛けるプレミアムな清酒です。この銘柄は、薩摩を意味する「薩州」と清酒の代名詞「正宗」を組み合わせたもので、2012年に鹿児島県の清酒として誕生しました。薩摩金山蔵は、かつての世界有数の金山である串木野金山の跡地を利用し、本格焼酎と清酒の製造技術を融合させた独自の酒造りを行っています。
精米歩合
この大吟醸酒は、兵庫県産の酒造好適米「山田錦」を使用し、精米歩合は38%です。米の中心部分を丁寧に磨くことで、雑味のないクリアで洗練された味わいを実現しています。
味わい
「薩州正宗 大吟醸酒」は、青リンゴやパイナップルを連想させる華やかな香りが特徴です。キレよくスッキリとした甘みがあり、全体としてバランスの取れた酒質に仕上がっています。日本酒度は+4、酸度は1.0で、飲み飽きない味わいを楽しむことができます。
郷土料理で至福のペアリング
「鹿児島黒豚のとんかつ」をおすすめします。鹿児島黒豚は、柔らかく甘みのある肉質が特徴で、外はサクサク、中はジューシーに仕上がったとんかつは絶品です。薩州正宗 大吟醸酒の華やかな香りとすっきりとした甘みが、黒豚の旨味を引き立て、相性が良いとされています。
薩州正宗 純米酒
「薩州正宗 純米酒」は、鹿児島県の薩摩金山蔵で製造される純米酒です。この酒は、清酒の名門蔵元で修行を積んだ杜氏が手掛けており、薩摩の地で生まれた特別な一本です。仕込み水には、地元いちき串木野の霊峰冠岳から汲み上げた天然水を使用しており、その土地ならではの風味を楽しむことができます。2021年9月23日にリニューアル発売されました。
精米歩合
「薩州正宗 純米酒」は、国産米を使用しており、精米歩合は特に記載されていませんが、米のふくよかな香りと味わいを最大限に引き出しています。
味わい
この純米酒は、濃厚で旨口タイプの酒質が特徴です。米のふくよかな香りと、ふくらみのある味わいが楽しめます。ピュアで甘やかな果実味があり、優しい甘味と芳醇な果実味がキレのある酸味を包み込んでいます。
郷土料理で至福のペアリング
「とんこつの味噌煮」をおすすめします。この料理は、豚骨を味噌で煮込んだ濃厚な味わいが特徴で、薩州正宗 純米酒の濃厚でふくよかな味わいと相性が良いとされています。
薩州正宗 純米吟醸酒
「薩州正宗 純米吟醸酒」は、清酒の名門蔵元で修行を積んだ杜氏が手掛ける薩摩の純米吟醸酒です。この酒は、地元いちき串木野の霊峰冠岳から汲み上げた天然水を仕込み水として使用しており、薩摩の自然の恵みを感じられる一品です。2021年9月23日にリニューアル発売され、さらに洗練された味わいを提供しています。
精米歩合
この純米吟醸酒は、国産米を使用しており、精米歩合は特に記載されていませんが、米の豊かな風味を最大限に引き出しています。
味わい
「薩州正宗 純米吟醸酒」は、芳醇甘口タイプの酒質が特徴です。低温発酵による華やかな香りと、すっきりとした甘みのある味わいが楽しめます。米のふくよかな香りと、ふくらみのある味わいが口の中に広がります。
郷土料理で至福のペアリング
「鹿児島黒豚のしゃぶしゃぶ」をおすすめします。鹿児島黒豚は、柔らかく甘みのある肉質が特徴で、しゃぶしゃぶにすることでその旨味を存分に楽しむことができます。薩州正宗 純米吟醸酒のフルーティーで爽やかな香りとすっきりとした味わいが、黒豚の豊かな風味を引き立てます。
結び
鹿児島の日本酒、いかがでしたか?
焼酎のイメージが強い鹿児島ですが、実は日本酒も素晴らしいものが多く造られています。特に、西酒造と濵田酒造は、それぞれの個性と伝統を守りながら、新しい日本酒を生み出し続けています。
今年の夏は例年以上に暑かったですが、秋の夜長には、ぜひこれらの日本酒を味わってみてください。冷酒でキリッと冷やして、秋の夜風にあたりながらゆっくりと味わうのもおすすめです。
鹿児島の日本酒は、地元の食材との相性も抜群です。新鮮な魚介や地元の野菜とともに、鹿児島の食文化を満喫してみてはいかがでしょうか。
このブログが、鹿児島の日本酒の魅力を少しでもお伝えできていれば幸いです。乾杯!
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