白牡丹 Peaon|春の雨がつないだ、忘れられない一本

一本語り

三月末。
子どもの引っ越しで訪れた広島・西条。
「この聖地に来るのは最後だな」と思っていた。

「酒蔵は行かんでいいん?」と、そっと気遣ってくれたのは妻。
その一言に甘え、酒都・西条の街を巡ろうとしたものの、あいにくの土砂降り。

心残りあるも諦めて、買い物のため近くのショッピングモールへ。

そこの酒コーナーには心躍る光景があった。
「一般スーパーにこんなにラインナップがあるか⁉︎ さすが酒都西条…」

あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい!!

酒蔵巡りの残念さも忘れワクワクしながら見ていると、一つのボトルに目が止まる。

「Peaon(ピオン)」

白牡丹酒造から生まれた、モダンでおしゃれなラベル。
大粒の水玉が梅雨を思わせ、初夏の訪れを予感させる。

その出会いがどうなったかは、これからご紹介します。


今日の一本 〜 スペック早見表

項目内容
醸造元白牡丹酒造株式会社(広島県東広島市)
商品名Peaon(ピオン)
原料米国産米(詳細非公開)
精米歩合60%
アルコール分16度
日本酒度非公開(体感ではやや甘口)
酸度非公開(やや高めと推定)
特定名称純米酒
特徴「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」金賞受賞
容量/参考価格720ml/約1,650円

蔵元ストーリー

享保五年(1720年)創業の老舗・白牡丹酒造。
伝統の技を守りながらも、時代に合わせた柔軟な挑戦を続けている。

「ワイングラスで楽しむ日本酒」という新たな提案とともに、
軽快で親しみやすい酒づくりを追求。
Peaonはその哲学を形にした、現代に寄り添う一本だ。


テイスティングノート

観点コメント
色合い澄んだ透明感のある黄金色。やや緑がかった輝きが、春の光を思わせる
香り控えめながらも青リンゴや白い花、ほのかに新芽のような爽やかさが広がる
口当たりなめらかでやさしい。16度とは思えない軽快さと柔らかさがある
味わいフレッシュな酸味と程よい甘みが絶妙。華やかさよりも、透明感と清涼感が印象的
余韻すっと引いていく春風のような後味。清々しさが舌に残り、何度も飲みたくなる

実飲エピソード

グラスに注ぐと、ほのかに緑がかった淡い黄金色。
香りは控えめで、少し構えてしまったけれど――
その分、口に含んだ瞬間の驚きは鮮烈だった。

フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!
控えめな香りながらも、口に含むと若さで満たされる。
舌の上で弾けるような明るい酸と、やわらかくふくらむ旨み。
まるで青リンゴと若葉がすれ違うような、春らしい味わいだった。

夏の扉、開けちゃったね。これはズルいお酒だ。

軽やかなのに、印象に残る。
飲み進めるほどに、その魅力がほどけていく。

期待は見事に裏切られた。
白牡丹さん、疑って本当にごめんなさい。

そして土砂降りが与えてくれた出会いに、心から感謝。


まとめ & CTA

白牡丹 Peaon(ピオン)は、300年の歴史をもつ蔵元が手がける、やわらかくもモダンな一本。
その味わいはまるで、春の風のように軽やかで、日常に小さなご褒美を届けてくれます。

おしゃれな見た目と軽快な飲み口で、日本酒初心者にもおすすめ。
春の終わり、静かに気分をリセットしたいときに、ぜひ味わってみてください。

▶︎ 白牡丹酒造 公式サイト
▶ 白牡丹ネットショップ
▶︎ 広島の日本酒


FAQ

Q. Peaon(ピオン)は冷やして飲むべき?
A. はい。8〜12℃程度に冷やすと酸がきれいに立ち、フレッシュな味わいが引き立ちます。

Q. 甘口ですか?辛口ですか?
A. やや甘口で、酸味とバランスが取れた飲みやすいタイプです。重たくなく、すっきりと飲めます。

Q. ワイングラスで飲むと何が違う?
A. 香りが広がりやすく、見た目も華やかになります。Peaonの持つフレッシュさや軽快な酸がより楽しめます。

Q. 初心者でも楽しめる?
A. もちろんです。アルコール度数は16度とやや高めですが、口当たりがやさしく、日本酒ビギナーにもおすすめです。

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